ライブビューイングに参加してみて

プロジェクトセカイのリアルイベントは毎年数回開催されます。キャラクターの中の人が舞台に立つもの、高校の文化祭を模したもの、楽曲の生演奏が楽しめるもの、といくつかあります。その中で3つ目にあたる『プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 2nd – Will – 』のライブビューイングに今回参加しましたので、良かったところと気になるところをまとめてみました。今後イベントに参加される方の参考になれば幸いです。

ライブビューイングとは

本会場で行われているイベントを録音・録画したものを、別の会場で同時に視聴することです。プロセカの場合は、映画館で同時上映する方式がとられています。

リアルイベントは基本的に東京や大阪で開催されるものなので、近くに住んでいるのでなければ、参加するのが大変です。例えば、筆者の住まいから東京のイベントに参加しようとすると、夜間高速バスを活用しても1万円以上かかりますし、時間と体力も消費します。もし、身近な場所で現地と同じように楽しめるのであれば、ありがたいことです。

今回のイベント

プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 2nd – Will – 』は、東京と大阪の2か所で開催されました。2023年2月26日(日)に大阪で昼公演と夜公演が行われ、この中で昼公演のライブビューイングを映画館で鑑賞してきました。

Q&A

はじめに、自ら参加してみて解決した疑問についてお伝えいたします。

本会場で参加するのと、どっちが良い?

これは好みによるところが大きいです。ステージは遠くなりますが、声援を送りたい、ライブの熱気や観客の盛り上がりを感じたい、という方には現地での参加がおすすめです。映画館でも声を出すことは可能ですが、みなさん周囲に配慮していますので、隣の人と話すくらいの声の大きさになります。会場の声はライブビューイングで聞こえてきますが、熱さが伝わるほどではありません。

逆に、キャラクターをアップで見たい方、比較的静かな環境でまったりと楽しみたい方、少なめの観客と一緒に視聴したい方、地理的あるいは経済的な理由で現地参加が難しい方には、ライブビューイングがおすすめです。筆者のいた会場では大声を出すことは控えられていましたが、手拍子や軽い動きでノってくれる方が多かったです。

ペンライトは必要?

いいえ、ペンライトは無くても問題ありません。筆者は手ぶらで参加しました。映画館では50名ほど見られましたが、ペンライトを持っていた方は10人以内でした。

ペンライトやリングライトを用意すると、ライブに参加している感覚を楽しむことができます。また、前側の席に座ることで、後ろの観客も楽しませることができます。実際に筆者の会場でも、前方の方々がペンライトを振っていたので、楽しい時間となりました。

なお、持ち込む場合は映画館ゆえの制約があります。周囲がとても暗いので、ペンライトはかなり明るく見えます。持参されている方も、背後の方が見づらくならないように配慮して、手元で振っているようでした。現地会場のように腕を振り上げて振ることは難しいでしょう。

声援を送ってもいいの?

はい、声を出すことは許可されていました。ただし、映画館なので静かにしたほうが良いという雰囲気があるため、大声を出すことは難しいでしょう。ちなみに、曲が終わると現地では大きな歓声が上がりますが、ライブビューイング会場では静かな感じでした。声量は通常の会話より小さいくらいで、小さな拍手が起きている状態を想像していただければと思います。

座って観ることはできるの?

はい、筆者のいた会場では、みなさん座って鑑賞していました。立ち上がることが禁止されているわけではないので、会場によっては立ち見の観客がいるかもしれません。もしも前が見えづらくなってしまう場合は、前にいるお客さんに座ってもらうようお願いするか、前方の席に移動させてもらいましょう。

メリット

費用が安く済む

ライブビューイングの料金は3900円で、現地会場のU-18席と同じでした。現地のSS席と比べると、おおよそ3分の1の価格になりました。また、映画館までの交通費は、インテックス大阪に向かうのと比較して、筆者の場合は半額程度でした。

大きな音量で楽しめる

映画用の音響システムを使うことで、一般家庭では出しづらい音量で視聴できます。これにより、迫力や臨場感を味わうことができるでしょう。なお、耳が痛くなったり、終了後に耳が遠くなるほどではありません。筆者の感覚では、おおよそ60〜70dBくらいだったと思います。

大きなスクリーンで楽しめる

映画用のスクリーンに映し出すので、ライブに集中することができます。画質は良く、不自然なノイズやボヤけも感じませんでした。昨年、『プロジェクトセカイCOLORFUL LIVE 1st- Link – 』がYouTubeで公式配信されましたが、その配信と比べると、かなり綺麗だと思いました。ライブビューイングのほうが、届けられるデータ量が多いのかもしれません。

低音がしっかり聞こえる

映画用の音響システムを使用するため、「ゴーッ」「ドゥーン」といった低い音がしっかりと感じられました。会場では生演奏されていますが、その音が響いているような迫力でした。家庭でもサブウーファーや大きなスピーカーを設置することで同様の体験はできますが、お隣さんへの影響が懸念されます。映画館のため、周りを気にせずに低音を出せる環境という安心感があります。なお、強い低音が好みでない方は気になるポイントだと思います。また、迫力があるため、ポップコーンや飲み物を楽しみながら鑑賞することが難しくなるかもしれません。

カメラが見たいところを抜いてくれる

カメラさんと編集さんがリアルタイムに頑張っています。歌っているキャラクターに合わせてカメラを切り替えたり、楽器のソロパートは演奏しているアーティストを映したり、会場の演出があれば俯瞰カメラに切り替えたり、と大忙しでした。

おそらく現地のモニターと同じ映像ではないかと思うのですが、おかげで本会場で遠くから眺めるよりもしっかりと鑑賞することができます。カメラが次々と切り替わるので視聴するほうも少し大変ではありますが、DVDやブルーレイのライブ映像に慣れている方であれば、問題ないと思います。

落ち着いた環境で鑑賞できる

混雑や騒音がないため、席に座ったままゆったりと視聴することができます。現地の熱気に乗るというよりは、マイペースで楽しむ感じになるでしょう。ポップコーンやチュロスを食べながら鑑賞してもOKですし、友人と小声で話しながら観ることも問題ありません。

ライブビューイングでも、ペンライトを振ったり、声援を送ったりすることで、ライブに参加している感覚は味わえます。ただ、現地会場に比べると規模が小さく、およそ50〜100人くらいの観客数になります。また、自分の声がステージに直接届かないため、少し物足りなさを感じるかもしれません。周囲の観客と一緒に声援を送り、現地の雰囲気を想像しながら楽しむことで、充実した時間を過ごせるでしょう。

デメリット

熱気を感じにくい

映画館でのライブビューイングでは観客数が限られており、現地のような熱気や盛り上がりを感じにくいでしょう。現地のインテックス大阪には数千人単位で観客がいますが、映画館では通常50〜100人、多くても数百人の規模感です。また、筆者のいた会場ではスクリーンの見やすさが考慮されたのか、指定席としてホール後方の席のみが埋まっていました。一部の席のみが使用されることから、密度が薄く感じられることがあります。ライブの雰囲気に慣れている方は、やや物足りなく感じてしまうでしょう。

また、現地の歓声は聞こえますが、音量は大きくありません。さらに、映画館では前方から全ての音声が聞こえてくるため、現地のように全方向からの声に包まれる感覚は得られません。結果として、現地ほどみんなで盛り上がっている雰囲気は味わえないでしょう。

反応にリミッターがかかる

声を出すことは許可されていますが、映画館という場所柄、静かにしようという空気感が漂っているため、大声での声援には抵抗があるかもしれません。普段の会話くらいの声量でキャラクター愛を伝える程度であれば、特に気にしないという雰囲気でした。また、周りの観客への配慮から、ペンライトは胸元で振る程度に抑えている方が多いです。声援で精一杯オモイを届けたい方、ペンライトを思い切り振りたい方は、現地参加のほうが楽しめるでしょう。

ペンライトに配慮が必要

ペンライトを使うことでライブ感を楽しめますが、映画館の暗さからスクリーンが見づらくなる可能性があります。持参する場合は、胸から腰のあたりで振るようにしてみてください。周囲の観客への影響を小さくでき、自分が感じる眩しさも抑えられるでしょう。

また、前方でペンライトを振る方が多い場合、明るさによりスクリーンが見づらくなることもあります。みなさん配慮されていますが、もしライトが眩しければ、少し腕を下げてもらうようにお願いしましょう。本会場のように腕を振り上げるのは難しいですが、ペンライトをお持ちの方は、お気兼ねなく点灯して楽しんでいただければと思います。きっと後ろの観客も喜んでくれるでしょう。

音質が気になる

映画館でのライブビューイングでは完璧な音質を期待できないかもしれません。音の感じ方は個人差がありますが、筆者の場合はキャラクターの歌声やギターの音色が耳につく感じがしました。周波数でいえば4kHzあたりが強すぎる感じです。これはおそらく、今回訪れた映画館の音響システムが原因でしょう。映画の迫力を出し、俳優の声がしっかり聞こえるように調整されているため、音楽が中心のコンテンツでは若干不自然な音になると考えられます。映画館でのライブビューイングでは、自然で美しい音声というのは難しいのかもしれません。

他に可能性があるとすれば、本会場の音響がすでに不自然なものになっていたり、現地のマイクや配信データの圧縮により音が変化していたのかもしれません。この場合、ブルーレイ版やAbemaのオンライン配信でも同じ問題が起きてしまいます。オーディオ操作が得意な方であれば家庭での聞こえ方を修正できますが、通常は音量を下げることで影響を和らげましょう。

ライブの演出が見づらい

会場に特有のスポットライトや炎の演出は、あまりカメラに映りません。主役のキャラクターを大きく映してくれるのはありがたいことですが、他のキャラクターを見たいときや、生演奏しているバンド、楽曲に合わせて変化する照明などを楽しみたい方にとっては、ライブビューイングは不向きです。また、炎の熱さを感じたい方も現地参加がおすすめです。

グッズ販売や展示会がない

ライブビューイング会場ではグッズ販売所や展示会、コラボカフェなどが用意されません。限定品を手に入れたい方や、イベントを隅々まで楽しみたい方には、現地での参加が最適です。なお、ライブビューイングに参加するとポストカードがもらえるため、入場チケットとポストカードを記念品にすることができます。

まとめ

ライブビューイングは、現地でのライブ参加とは異なる独自の魅力があります。費用が抑えられる上に、大きなスクリーンで迫力ある映像を楽しめるといった点が魅力的です。しかし、熱気やライブの演出を十分に体感できない、ペンライトの使い方に配慮が必要であるなど、デメリットも存在します。筆者としては、普段できない体験なので感動しましたが、できれば次回は現地で楽しみたいという思いが強くなりました。

最終的に、ライブビューイングが適した選択肢であるかどうかは、個人の好みや期待によります。どちらの形式を選択するかは、求める雰囲気、予算、音質などの要素を総合的に考慮して決定しましょう。この記事で解説したメリット・デメリットを参考に、自分に合った鑑賞方法を見つけて、プロセカのリアルライブをお楽しみください!